アーカイブ : 2011年 5月 29日

基準を変えるならそのバックグラウンドが大切

27日のことになるが、
文部科学大臣は福島県内の児童生徒が受ける
放射線量を今までの年間20ミリシーベルト(mSv)から、
年間1mSv以下を目指すと、
記者会見で述べたとのニュースが流れた。

この記者会見で、大臣から、どうしてこの1mSvという
数値目標が出てきたのかの理由や説明が
あったのかどうかは知らない。

だが、1mSvという数値は、放射線量が与える
人体への影響の側面から、日本で用いてきた安全指針だ。
すなわち、この1mSvは、
「一般人が1年間に曝されて良い人工放射線の限度」
「放射線業務に就く女性が、妊娠を知った時から
出産までに曝されて良い放射線の限度」
とされてきた数値だ。
これを、福島原発事故後から、何の理由も示さないで、
子どもに対して、一般人が1年間に曝されて良い
人工放射線の限度1mSvの20倍の20mSvに
引き上げたのは、文部科学省なのだ。
この数値を、子どもに対しての事に限定して、
従来の数値に戻すというのだから、
その理由を求めることが大切だと思う。
20mSvに引き上げた理由も聞いたことがないから、
求めてみても駄目なのかも知れないが・・・。
もし、理由がないなら、
「従来決められていた1mSvを20倍にしたのは誤りだった」
と述べるのが本来の姿勢だろう。

被曝線量が高いと思われる地域の方々、その地域のお子さんに対して
・・・・
これからは、是非、細かな範囲での放射線量のモニタリングをして、
外部からの被曝量を、しっかり把握できるようなデーターを取得して、
国は公開するようにして欲しいものだ。
モニタリングをする高さも大切だ。
子どもの背の高さ、子どもがしゃがんで遊ぶ時の高さ・・・が求められる。
もし、国や自治体が、自分の地域の放射線量を測定してくれないのなら、
自主的な測定も必要となるだろう。
得られたその数値は、後生において、決して無駄にならないと考える。