アーカイブ : 2011年 4月 20日

安全基準を引き上げて、人体実験・・・?

僕は、NPO法人 食の未来研究所で、食の未来の形を考え、
原料そのものから、ヒトのからだが心底喜ぶ食品を開発している。
昨日は、新たな形を示して行くべく、開発の打ち合わせを中心に行った。

原料開発の元となるものは、植物・野菜・果物・きのこ・肉・魚・・・
などの食の素材である。
それらを出発点として、
食の素材の中の栄養成分は一つも捨てずに、「丸ごと」で、
食の素材の中の有効な成分は、「使いやすく」するために、
酵素の力で加工をしていく。
多くの方々が実際に喜んで頂ける原料、
その原料に基づく食・・・が出来上がってきている。
食の素材が、基となっているので、これからは、
放射性物質の存在もしっかりと視野に入れていかねばならない。
安全・安心の提供は、食に携わるものにとって、一番の責務である。

さて、政府が、福島原発での作業に当たっている
現場の作業員の方々の被曝限界放射線量を、
引き上げようと検討しているという。
???だ!
聞くところによれば、この国家非常事態の福島原発の事故処理に
当たっている方の人数は、500人程度という。
この方々が、4基の原発の処理に当たってくれている。
おそらく、被曝線量を確認しながら、交代交代で、
慎重に作業を進めてくれていると思うのだが、
500人という人数の少なさ・・・
単純に考えて、こんな少なくて、
これから続く膨大な作業が進んでいくのだろうか、と考えしまう。

劣悪な作業環境、劣悪な食事状況、劣悪な休息状況・・・。
500人を増やすことができないのだろうか・・・
この方々に代わる要員の確保が出来ないのだろうか・・・、

この方々の被曝線量限界値の基準を現在の、
250ミリシーベルトから、さらに引き上げることを検討しているという。
引き上げる代わりに、健康状態の変化を数十年にわたって
しっかり経緯観察して安全には配慮するという・・・
でも、これって、態の良い、放射線障害の人体実験?って
考えてしまうのは、僕だけだろうか。

それと、忘れてはいけない事実がある。
今の政府は、この作業員の被曝線量基準をはじめとする、
安全基準を勝手に、自分の都合の良いように、変えてしまうということだ。

安全基準は、科学的な根拠に基づき、国民の命を守るために、
国際的に、または国単位で、決められているものだ。

現在の現場作業員の被曝基準である、250ミリシーベルトは、
原発事故以前に決められていた、100ミリシーベルトから引き上げられたものだ。
この250ミリシーベルトをさらに引き上げようとしている・・・。

作業員の被曝基準を250ミリシーベルトに引き上げた時に同時期に、
一般市民の被曝限界基準を1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに
引き上げたことも忘れてはならない。
しかも、この一般市民の考え方には、幼児・子ども・大人・男女・・・の区別はない。

水や、野菜(魚や畜産は野菜に準じる)に含まれる、
放射性物質の放射能力の安全基準は、
水が10ベクレルから、300ベクレル(幼児は100ベクレル)に、
野菜は370ベクレルから2000ベクレルに、
あっという間に引き上げられたことも、決して忘れてはならないだろう。

安全基準は、生命を守るための基準であるのだから、簡単に変えてはならない。
基準を何の根拠も示さない中で、勝手に変えていくような政府・・・信用できるだろうか。

枝野官房長官が、厳重な防護服に身を包んで南相馬市を視察したのは、
17日だが、南相馬市の方々に住んでも安心です・・・と強調した本人が、
住人はマスクもしていない人が多い中で、
厳重な防護服、しかも、車から降りた時間はわずかに数分・・・
自らが、「実は、こんなに厳重にしないと、身の危険があるのだよ」
と強調しているとしか思えない。

国民は、本当のことを知らされず、命を守ってもらえず・・・
こんなことで良いのかな?
せめて、我々自身で身を守ることが出来る、
原発からの風の向き、風の強さ、放射線量・・・刻々と、発表して欲しい。
なぜ、公表しないのか?