アーカイブ : 2011年 4月 16日

暫定基準値以下は、ゼロでは無い。

僕が所長(理事長)をしている、
NPO法人 食の未来研究所主催で、緊急講演会を開催することにした。
通常は、食を通じてのアンチエイジング、
食を通じての健康・・・といった切り口で、
未来の食の姿を絡めながら講演を行うことが多いのだが、
多くの皆様からのご要望があり、急遽、講演会を開催することにした。
「今ある危機、原発事故にどう立ち向かうのか?」
という題目での講演だ。出来れば各地で行っていきたいと思う。

昨日、第一回目として決めた講演会の日時は下記の通り。

4月26日(火)①13:00~  ②18:00~ 
場所:横浜市港北区新横浜2-15-12 共立新横浜ビル3F 会議室
講演参加費用を2000円いただく予定で、いただいた参加費全額は、
財団法人あしなが育英会の東日本大震災・津波 遺児募金へ寄付させて頂く予定だ。

さて、僕は、ヒトをあからさまに、公の場で批判することは、
今までしてこなかった。
でも、今回の原発事故とその後の対応についての
政府や東電などの対応に心底、腹が立ってしまったので、
申し訳ないが、批判を続けさせて頂く。

原発事故以来、食の安全・安心がゆらいでいる。
原発事故によって拡散したり放出されたりした放射性物質が、
野菜や生乳や魚介類を汚染し、
暫定基準値以上に検出されるようになったのが、
3月22日の、ホウレンソウだ。

以来、多くのものが、出荷停止になっているが、
この出荷停止の基準は、1キログラム当たり2000ベクレルの
規制値によるものだ。
その後、3週連続で基準値以下のものは、出荷停止処置が解かれてきている。

ニュースでも良く耳にするが、
「基準値以下となり、出荷されるようになった」というフレーズだ。
このことをアピールする意味で、芸能人や最近では政治家が、
基準値以下である野菜を食べるシーンが放映されるようになっている。

ここで、我々が知らなければならないのが、
基準値以下=放射性物質の存在がゼロ では無いということ、
測定をしていない野菜(検査をすりぬけた野菜)も市場には存在すると予想され、
基準値以下の野菜を生産している地域の野菜なら、
基準値以下の数値の存在があると考えるのが普通の考え方だ。

政府も報道も伝えてはくれないが・・・。

「ほら、こんなに食べても安全でしょ?」とテレビニュースでアピールされても・・・。
放射性物質は急性中毒物質ではないわけだから・・・。
極端に言えばその食べたヒトの10年、20年後を見るのが正しい判断だ。

放射性物質は、体内被曝、体外被曝ともに、
全てを積算して考えなければならない。
その理由は、放射性物質が、空気中から、吸い込んだり着いたりすること、
水を飲むこと、野菜、魚などを食べることから・・・
体内に侵入してくるのだから、住んでいる地域の放射線量をはじめとする、
侵入してくる放射線量を足し算して、時間を考え、トータルの
被曝量を考えねばならないのだ。

だから、各個人が判断できる数値を政府はしっかり公表すべきであると考える。
基準値以下となったというなら、その測定結果があるはずだ。
その数値は公表すべきではないのか。
また、測定していない作物や魚やその他のものが何であるのかも・・・。
これらの公表されたデーターから、
各自の住んでいる環境の放射性物質量を考え、
口にするかしないか、口にする量をどれほどにするか・・・
を考えていくのが良いだろう。

昨日のニュースで、菅総理が、キュウリを食べる
パフォーマンスをしていた。
その時、カメラの前で、持参されたキュウリを手に取りながら、
「食べて大丈夫ですか?」・・・と言って口にしていた。
うーん・・・、やはり、駄目かも知れない・・・。