銀座で店を構えて50年・・・

「やあ、良く来てくれたねえ」
「お久しぶりです!」

との言葉を交わしながら、カウンター奥の席で、熱燗を口に運んでいた大将と
堅い握手を交わした。

昨日、静脈瘤除去手術後の一週間検診を終えたのち、
医療研究家のT先生と食事をした「かすが」の店での場面だ。

8ヶ月ぶりくらい、行っていなかったが、カウンターの中の女将さんと若女将の二人、
カウンターで、でーんと座って、客とのやり取りを楽しむ、大将・・・
時間が経ってもその姿は変わっていなかった。

T先生にとっては初めての店だったので、最初の大将と僕のやり取りに、最初は少し、
戸惑ったかも知れないが、それも一瞬のこと・・・すぐに大将と仲良くなって?
早速、大将の餌食となっていた。

マツタケの焼き物に、T先生が鼻を近づけて、「ああ、良い香りですね・・」と言うと、
すかさず大将が、「あのねえ、良いものは口の中で香りを嗅ぐものだ、
香りを外から付けているワケじゃあないんだぞ・・」と。

それからも、いろんな場面でのT先生と大将のやり取りに、
内面、「T先生が気を悪くするんじゃないか・・・」と冷や冷やしながら・・・
だけど、楽しく聴かせて頂いたのだった。

もうすぐ、銀座に店を持って50年になると言う・・、
僕がインターネットで探し当てて、通うようになった時には、
「銀座で店を構えて40年・・」と言っていたから、
もうかれこれ、店に通うようになって、10年あまりが経っているのだ・・・。

「銀座で50年、一代で店を構えているのは珍しいけれど、
父の50回忌をその妻と子どもが執り行なうのも珍しいでしょ」と、
11月3日に行う僕の父の50回忌のことを持ち出すと、また、話が止まらなくなってしまった。

時間はあっという間に過ぎ去っていった・・・。

銀座「かすが」の名物大将は、来年は80歳、元気一杯である。

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