ご遺影の中の素敵な笑顔・・・

昨日は、7日の日記にも書いたが、 僕の恩人ともいえるNさんの通夜だった。
出張中の僕は、こちらの予定を遣り繰りして、通夜を目指した。
通夜でNさんとのお別れのご焼香を済ませたら、すぐにトンボ帰りで、
夜10時からの打ち合わせに臨むという強行スケジュールだ。

上越新幹線で東京駅には、夕方5時前に着き、
東海道本線に乗り換えて川崎を目指す。
うまくいけば、5時半ちょっとすぎには、Nさんが眠る通夜の会場に着く予定だ。
おそらく、会場には、Nさんとともに、様々な面で、僕を支えてきてくれて、
今なお、支えてくれている多くの仲間が来ている筈だから、
積もるNさんの想い出を語り合えると思っていた。

4時半過ぎ・・新幹線は、次の上野駅に予定通り着こうと減速を始めた・・・が、
ふと気付くと、12-13階建てのマンションの前で停車してしまった。
いくら、上野駅が近いからといって、減速は有るが停車は有り得ない・・・。

新幹線の窓越には、マンションベランダが一望できた。
ほぼ西向きのそのマンションには、強烈な西日が差しこんでいた。
夕方5時に近いというのに、ほとんどのベランダに、
洗濯物、布団などが干してあった。
おそらく、西向きのそのマンションは、夕方の時間が一番、
日が差し込むのかもしれない。

何気なく、そのマンションを見ていると、ベランダでは、様々な生活が見て取れた・・・。煙草を楽しむ男性・・・、
ベランダの観賞植物に水をやる男性・・・、
「あれ?新幹線が停まってる・・」とこちらを見ている男女・・・、
無造作に洗濯物を取り込む女性・・・、
洗濯物をきれいにたたみながら、籠に入れて取り込む男性・・・、

様々な生活というか人生が僕の目に入ってきた。
小説家なら、映画監督なら・・・作品に出来るかもしれない・・・。
なんて考えている余裕は、停車して40分も過ぎるころからは無くなっていた。

停車の原因は、上野駅で新幹線車両からの発煙による、安全点検だった。
しきりと、車内アナウンスで、状況説明はあるが、
1時間停止して、通夜の始まる6時が近くなるころには、
通夜の終わる7時に着ければ・・・という半ばあきらめムードとなっていた。

結局、1時間8分遅れで新幹線は動き出した。
東海道本線に飛び乗り、会場へ着いたのは、6時50分近くになっていた。
会場へ駆け込むと、多くの仲間が、出迎えてくれた・・・
挨拶もそこそこに、Nさんの眠る祭壇へ・・・。
読経は終わろうとしていた。
でも、しっかりと、Nさんとのお別れができたと思う。

明るい笑顔のNさんの遺影は、僕を温かく迎えてくれた。

時には厳しく、時には優しく・・・僕を叱咤激励してくれたNさん、
時には共に涙し、時には共に夢を語らった・・・Nさん、

Nさんのお人柄のすべてが、遺影の中の笑顔に凝縮されていた・・・。

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