発表のためだけの整理なら、不要だ

僕のバイオ関連の研究生活は、
紀文勤務3年目から2年間、派遣された
東京大学応用微生物研究所(現:東京大学分子細胞生物学研究所)
で始まった。

派遣2年目の1983年の日本農芸化学会関東支部が、
学会での口頭発表のデビューだ。
以来、醗酵工学会大会、日本農芸化学会大会を中心に、学会発表をしてきた。
データーを整理し、考察し、結論を導き、それをスライドにまとめ・・・
今はパソコンが発展しているので、発表の資料はまとめやすくなっているが、
当時は、スライドにまとめるだけでも大変な作業であった。
でも、大変な反面、学会での発表は、研究者としての晴れの舞台であるから、
楽しい作業でもあった。

さて、福島原発事故の対策統合本部で政府、原子力安全・保安院、
内閣府原子力安全委員会、文部科学省と東電の関係者が
一同記者会見を連日行っている。
この時の発表を見ると、発表用資料を作成するための、そのデーターの整理に、
膨大な人手と作業時間がかかっているのだろうな・・・と思う。
おそらく、最前線の現場でも、本部へ送るためのデーターを、
生データーから整理しているのだろう。
記者会見を見ていると、現場の緊迫感は伝わってこない・・・。
危機的な数字でも、淡々と読み上げる担当者・・・、
発表をこなしているだけ・・・と感じるのは僕だけであろうか・・・。

確かにきれいにまとまった資料を発表する事は大切かも知れないが、
いまやるべき、最優先は、データーをきれいに整理して発表する事ではなく、
刻々と出されるデーターを解析し、次の手を打つべく指示を出すこと・・・
これが、対策統合本部がすべきことだろう。

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