食は進化し続ける

彼の昔・・・紀文時代のことだが、会社のはからいで、
英語の自主学習の機会が与えられ、
会社からの補助でグループ学習ではあるが、
英国人の背の高い男性の先生に英会話を教えてもらっていたことがある。

当時、会社は、アメリカはじめ、世界へ進出しようとしていたので、
英会話の出来る社員を育てようとの狙いがあったのだった。

結局、この企画は1年ほどでとん挫したのだが、
企画が始まってから、半年ばかりが過ぎたころ、
英国人教師が、僕ら5人ほどを、土曜日のディナーへ招待してくれた。

僕らは、夕方6時頃に彼の自宅へ行った。
彼は独身か単身赴任か・・・記憶の中に家族の姿は無く、
彼がひとりで家にいたのは記憶している。

5人揃って、彼の自宅の玄関のベルを鳴らす。
リビングルームに通される。
ビールなどを出してくれて、ディナーは始まるかに思えた・・・、

キッチンに引っ込み、時々顔を出して、ビールなどを勧めてくれる彼の姿・・・、
だが、時間が2時間も過ぎてくると、
さすがに僕らは、「どうなってんだろうね・・」などと囁くようになっていた。

それから小一時間後、彼が嬉々として、
「出来上がったよ。お手製のイギリス料理だよ」・・・と言いながら登場。

・・・出された料理は、各自一皿に、肉とジャガイモの煮込んだもの
・・・料理の名は知らないが、日本で言う、肉が大きい肉じゃが、
肉とジャガイモの煮物、肉がメインのポトフ・・・となるのだろうか。

「さあ、食べよう!」と彼は言った。

「待たせてごめんね。」なる言葉を聞いた記憶は無いので、
この料理を仕込む3時間は、既定路線だったのだろう。

腹ぺこの僕は、いずれにしても、目の前の肉を頬張った・・・が、
腹ぺこでも、不味いものは不味い

。あまり、僕は不味い・・・とは思わない鈍感さがあるのだが、
味にインパクトが無く、素材の味だけで食べる料理としか思えなかった。

それならそれで、もっとインパクトがあるなら、嬉しいわけだが、、、

そんな経験と、以来、いろいろな書物から、
英国の料理はそれほど美味しくは無い・・・と思いこんでいた訳なのだが、
今までの3日間で食した料理でまずいと思うものには一切出会っていない。

食文化は世界共通で、どんどん時代の流れに沿って進化し続けているのだろう。

今回の出張中で、「不味い」料理に出会うことはあるのだろうか・・。

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